開発局発注の農業土木工事をめぐる官製談合事件で、起訴された元農業水産部長森繁被告(57)ら三被告はいずれも、開発局の農業部門に少なくとも十年以上在籍していたことが四日、分かった。農業部門は専門性が高いため、局内の他部門との人事交流はほとんどなく、こうした閉鎖性が長年にわたって農水部幹部が官製談合を行っていたのに発覚しなかった要因として浮上している。
森被告は少なくとも十五年、元農業設計課長永井良房被告(53)は十二年、元農業調査課長表雅英被告(50)は十年、開発局本庁の農水部や各開建で農業関連のポストを歴任。略式起訴されたOB四人も農業担当が長かった。
札幌地検の調べでは、三被告ら同部幹部は落札業者を事前に決めた「割り付け表」を作成し、業者に天下ったOBらが連絡役を務めていた。
開発局は二〇〇二年に港湾部で官製談合が発覚し、局内で談合を一掃するよう求められたが、農水部は天下り先を確保するため談合を温存していく方針を維持した。
しかし、他部門に比べて工事予算の規模が小さいため天下りを受け入れる業者は少なく、このため部が独自に談合を仕切っていく必要が生じた。
札幌地検は、こうした背景から現職とOBの連携により農水部の官製談合が長年続いたとみている。
開発局は、開発局長の下、農水部や建設部など六つの部と十一の開発建設部からなる。六部のうち、農水部を除く五部は予算、人事とも国土交通省が直接管轄するが、農水部だけは、予算や人事のほか、事業計画も農林水産省の指揮下にある。
道外では、農水省地方農政局が農業土木分野の事業を行っているのに対し、開発局は旧北海道開発庁時代から農政局の業務も担ってきた。
人事異動も、農業部門は指揮下にある農水省との間で行われ、他部との交流はほとんどない。国交省所管の道路や河川部門などの間で、人事交流が定期的に行われているのとは対照的だ。
ある道路畑の幹部は「農水部は何をしているか分かりづらい組織。談合発覚が遅れた要因の一つではないか」と指摘する。
北海道新聞より引用
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